知っておきたい白髪の原因と対策
白髪になるメカニズム
黒髪ではなく白髪として髪が生えてくるメカニズムは、メラノサイトという色素細胞がうまく働かずに、黒色に着色されなかったことが原因です。
毛母細胞という髪が生えてくる部分の根本にある細胞で、髪は作られているのですが、メラノサイトという色素細胞がメラニン色素を作り出し、作り出したメラニン色素を髪が吸収して取り入れることで、もともとは白かった髪が、黒くなるのです。つまり、着色されずに生えてきてしまった髪が、白髪になるということです。
白髪の原因と対策
乱れた食生活で栄養が不足している
色素細胞であるメラノサイトが、メラニン色素を正常に作り出すためには、栄養が欠かせません。
普段の生活で、外食が多かったり、コンビニ弁当ばかり食べていたりする習慣が長年続いてしまうと、白髪が増えてしまいます。
特に必要な栄養素は、タンパク質とミネラル、そしてビタミンです。
タンパク質が必要な理由は、髪の毛の成分は、90%以上がケラチンというタンパク質の一種からできているからです。18種類ものアミノ酸が合成されてケラチンという成分が生まれるのですが、ケラチンの中でも、特に重要な役割を担うのがチロシンとLリジンです。この2つを積極的に摂取することで、髪の毛の成分を補うことができますので、意識しておきましょう。
チロシンは、大豆やチーズに特に多く含まれていて、メラニン色素の原料になり、Lリジンは、大豆や卵、肉などに多く含まれていて、髪を育てるのに役立ちます。
次に、ミネラルで重要なのは、亜鉛とアルギン酸で、亜鉛は髪の毛にとって欠かせない栄養成分であるタンパク質の吸収を高める働きをしてくれます。ミネラルは、ナッツや魚介類に多く含まれています。
そして、3つ目に重要なビタミンは、パントテン酸とビタミンCが重要で、パントテン酸は、納豆やレバーに多く含まれていて、ホルモンや細胞の合成を助けるために、体のあらゆる部分で働きます。
ビタミンCは、髪の毛を生成するために重要な役割があるコラーゲンを生成する働きを助けます。みかんなどの柑橘類や、いちごなどに含まれているので、積極的に果物を摂取しましょう。
日常生活の中でのストレス
日常生活の中で、強いストレスが続くと、交感神経が優位な状態が長くなり、皮脂の分泌が促させてしまい、常に皮脂分泌が活発な状態になります。
この皮脂は、外出先などですぐに取り除くことが難しいため、そのままにしておくと空気に触れて徐々に酸化していき、過酸化脂質となり、かゆみやフケ、抜け毛などの原因にもなります。
この過酸化脂質は、菌をどんどん増殖させてしまい、最終的にはノネナールという物質を作り出し、加齢臭の原因にもなってしまいます。
さらに、この過酸化物質は、メラノサイトの働きを抑制するため、メラニン色素を作り出せずに白髪を増やす原因となります。
またストレスは、血液の流れを悪くして、血管も収縮させてしまうので、全身に血液が流れる働きが阻害され、髪の毛にとって必要な栄養成分が、十分に行き届かないようになってしまいます。
毎日の生活の中で、強いストレスを感じている場合は、過酸化脂質が発生している可能性があるため、スカルプクレンジングや炭酸シャンプーなどをして、取り除く習慣をつけましょう。
常に睡眠不足だと感じている
ぐっすりと眠っている睡眠中には、幸せホルモンと呼ばれているメラトニンというホルモンが分泌されて、体の中にたまっている活性酸素を除去する働きがあるので、体内の細胞を活性化させて、白髪になるのを防ぐ役割をしています。
ところが、睡眠が足りないと、幸せホルモンの分泌も少ないので、活性酸素を除去しきれない状態が続くことになり、結果的に白髪の原因になりえます。
白髪は、いきなり増えたように感じるかもしれませんが、実際にはそうではなく、日々に積み重ねによって増えていくものなので、普段から寝不足にならないように注意しましょう。
なかなか寝付けないのであれば、睡眠前の過ごし方を見直したり、アロマでリラックスしたりするのが、効果的です。
白髪の改善が期待できる食べ物や栄養素について
納豆をよく噛んで食べる
納豆には、白髪を改善する効果が期待できる栄養成分が豊富に含まれています。
たくさんの栄養素が含まれた納豆を、一口30回ほど噛んでから食べるようにすれば、咀嚼することによって血流を改善することにもつながり、納豆で摂取した栄養を髪の毛までスムーズに届けることができるということです。
納豆は、髪の毛の90%以上をしめるタンパク質のかたまりのような食べ物です。さらに、タンパク質だけではなく、ビタミン類や亜鉛、アミノ酸や脂肪酸までもが豊富に含まれています。
特に亜鉛は、髪の毛の成長には欠かせない栄養素なので、白髪に悩んでいるのであれば、納豆を、毎日よく噛んで食べるようにするだけで、改善できる可能性があるということになるのです。
毎日納豆を食べているのに、白髪が増える一方だという人は、噛む回数が少ないのではないでしょうか?
食べ物をよく噛んで食べるというのは、簡単ではありませんので、意識的におこなってみてください。
納豆が食べられない場合はそれぞれの栄養素を摂取する
タンパク質
白髪を改善する際に、もっとも重要な栄養素はタンパク質です。
髪の毛の原料であるタンパク質を日頃から摂取して、不足しないようにしておかなければ、髪の毛の健康を保つことはできません。
タンパク質を効率よく摂取するためにおすすめなものは、卵と無脂肪牛乳です。牛乳が苦手だったり、飲みたくないという人は、豆乳でもかまいません。
卵は、完全栄養食品と呼ばれているほど栄養価が高い食べ物です。納豆も同じく完全栄養食品なので、その栄養価の高さがうかがえます。卵には、動物性のタンパク質が豊富に含まれているだけではなく、ビタミン類も豊富に含まれているため、積極的に摂取するようにしましょう。
無脂肪の牛乳には、タンパク質の吸収を助けるミネラルも豊富に含まれているため、食事と一緒に飲むようにできれば効率的です。牛乳は飲み物なので、咀嚼という概念はないかもしれませんが、牛乳も何回か噛んでから飲み込むようにすると、消化吸収力がアップするといわれています。
一時期、学校の給食の際には、牛乳もよく噛んでから飲みましょうと言われていましたが、こういった効果から言われていたという背景があります。
亜鉛
髪の毛を作り出すために重要な役割を持っている亜鉛は、大量に摂取する必要はありません。ですが、少ない量でもたくさんの役割を担っているため、必ず毎日摂取するようにしたい栄養素です。
亜鉛を摂取するのにおすすめな食材は、牛肉、海苔、ごま、チーズ、牡蠣などです。
牛肉には、どの部位でも比較的多くの亜鉛が含まれていますが、毎日牛肉を食べると食費がかさみますので、効率良く牛肉を食べるためには、ビーフジャーキーでも構いません。
海苔やごまは、摂取できる量が多くないので、摂取できる亜鉛の量も少なくなりますが、料理のちょっとしたアクセントとして添えるだけでも、ないのとは大違いです。
チーズの中では、パルメザンチーズには大量の亜鉛が含まれているため、パスタなどのお供にふりかけておくことで、効率よく摂取できます。そのまま食べるプロセスチーズも効率はいいです。
牡蠣は、普段から家庭で食べるというのはなかなか難しいかもしれませんが、季節的に摂取したいときは、積極的に選ぶようにしておきましょう。
サプリメントから効率よく栄養素を摂取する
タンパク質や亜鉛の他にも、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなど白髪を改善するために欠かせない栄養成分は、たくさんあります。ですが、これらの栄養素を、毎日の食事から全部摂取しようと思ったら、食費も大変ですし、料理にもたくさんの時間がかかります。
そこでおすすめなのがサプリメントです。今は、近所のドラッグストアなどでも、栄養素単体で販売されている時代ですので、毎日の生活の中で、足りていないと思う栄養素があれば、積極的にサプリメントを取り入れてみてください。