髪の色の違いはどうやって決まるのか?ユーメラニン、フェオメラニンとは?
日本人であればほとんどの人が「地毛の色は黒」ということになりますが、世界には国や人種よって髪の毛の色は様々です。ブロンド、赤茶色、栗色など、外国人のキレイな髪色にあこがれてカラーリングする方も少なくないはずです。
では、そもそも髪の地毛の色はどうやって決まるのでしょうか。
それは、肌の色と同じように髪の毛も遺伝や人種によって変わってくる可能性が高いのです。
きっと聞かれたこともあると思いますが、髪色の元となるのはメラニン色素です。
実は詳しくお伝えすると、メラニン色素には2種類あって、黒褐色系の「ユーメラニン」と赤黄色系の「フェオメラニン」があるのです。
これら2種類のバランスや総量によって、その人の髪の色や濃淡が決まっているんですね。
例えば、日本人のように黒髪の場合はユーメラニンが多く含まれ、欧米人の場合はフェオメラニンの割合が多いため、赤味や茶色、黄色味が増した髪の毛になるのです。
また、メラニン自体が含まれない髪の毛、という場合もあります。そう、黒くない髪の毛「白髪」のことです。
つまり、加齢とともにメラニンは減少するため、髪の毛が白くなっていくという仕組みになっています。
▼メラニンって何?
メラニンは、人の皮膚や髪の毛に含まれている色素のことですが、髪に含まれているメラニンは、色素を形成する細胞である毛球部で作られ、その後内部にあるコルテックスに送られて、髪の毛の色の決定に影響を及ぼします。
コルテックスとは、髪の毛の90パーセントを占める細胞で、髪の毛の中にある繊維状のタンパク質でできている層のことです。
髪の毛の内部には、「メデュラ」という柔らかいタンパク質でできている髄質の組織を取り巻いている層があり、その周りをくるむようにしているのが、コルテックスです。
このコルテックスは、表皮の部分であるキューティクルを包み込んで、外部の刺激から髪の毛を保護する働きをしています。
さらにコルテックス内部のメラニン色素が、紫外線から受ける影響を防御してくれるのです。
つまり、髪のメラニンも、皮膚にあるメラニン色素と同じように、頭皮や髪の毛を紫外線から守るという働きもしているのです。
▼ユーメラニンって何?
ユーメラニンとはメラニンの一種で、ユーメラニンが多く含まれている髪の毛は黒く、髪の濃度も濃くなります。つまり日本人の髪の毛の中にはユーメラニンがたくさん含まれているため、個人差はあるものの、ほとんどの人の髪の毛は黒くなっているということになります。
ただし、加齢により白髪になりますが、これは髪の毛に含まれるユーメラニンが減少するためです。
また、ユーメラニンは、髪の毛を黒くさせることで、紫外線を吸収して髪の毛へのダメージを減らす働きをします
▼フェオメラニンって何?
フェオメラニンの「フェオ」は「褐色」や「薄い」という意味で、フェオメラニンが多い髪の毛の色は赤毛や金髪といった、明るめの髪の毛になります。
フェオメラニンには紫外線を防ぐような機能があるかどうかはまだわかっていません。
吸収する紫外線の波長に関係してるのかもしれなませんし、もしかするとフェオメラニンにはもっと何かほかの機能があるのかもしれないといわれています。
また、フェオメラニンは紫外線に弱いという性質があり、紫外線を受けると吸収して活性酸素を作り出します。
なので肌細胞もダメージを受けやすく、肌が炎症を起こしたり、皮膚が赤くなったり、最悪の場合皮膚がんの発症リスクが高まる可能性があるといわれています。